FISHERMAN

石垣島近況

カメ君とぼくの関係

5月5日午後6時半、梅雨の石垣島で 

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石垣島の冬はカメにとって冬眠の季節です。11月の初めごろ寝床になる柔らかい土を

もとめて庭中を歩き周ります。気に入った場所に潜り込み3月まで寝てしまいます。

3月中旬に起きてきたカメは泥だらけで、せっかく育った花々を踏み荒らし、マイマイや

芋虫に似た幼虫類を漁ります。普段のぼくは、自然と庭に居ついているこの可愛い小動物を

放置していますが、このころ一度だけ手入れをしてやります。

というのは、カメに寄生する吸血のダニが冬の間に大きく成長しているからです。

ちょっと荒っぽいのですが、手で甲羅を持って裏が返し

ホースで活きよいよく水をぶっ掛けて隅々まで泥を取ります。

もちろんカメくんは嫌がって足や首を伸ばしてバタバタと暴れます。

町の中の茂みや菜園や庭などにも多く生息しているセマルハコガメ君、

何処からきたのか解らないけれど 5年以上我が家の庭に住み着いてしまったカメ君

不思議なことに、カラスが小亀を加えて飛んでいることもある。

ある日、カラスがカメを裏返して突っついているのを見かけたことがある。

カメは足をばたばたしている。

虐めているのかなと思いきや、よく見ると決してカメの急所をくちばしで突かない。

つまりダニを取って食べていた。カメは何所から来て何処に行くのだろうか?

 

 

すっかり綺麗になったところで、今度は大きめのピンセットでダニを一匹づつ

ダニの頭が残らないように気をつけて抜き取ります。

その後薄い酢の液に漬けて消毒し、見えないダニや卵を駆除します。

またバケツからだしてやると、一目散に庭の茂みに逃げこんでいきますが、

2〜3日するころには、庭で水を撒いているぼくに近くに寄ってきます。

お目当てはぼくのはだしの足の指!

芋虫に見えるらしく、ハンターの目で突進してくるのです。今度はぼくが逃げ回る番で

カメ君を避けつつ水まきを終えます。普段運動不足と思われるカメ君は、

水路にたまった水を美味しそうに飲んでから芝生も中央で4つ足を踏ん張り、

天を見上げてしばらく哲学をしています。

まるでライオンのように頼もしい姿です。

F・スズキ