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サムネイル101回

モルジブ最北端への旅  後編

GTの聖地、モルジブ

最北端イハバンドヒッポエフからハァーアリフそしてシャビアニまで

 

ハァーアリフアトール

最北端イハバンドヒッポエフに到達ので、いよいよ帰路になった。ここモルジブのハァーアリフアトールの北端から首都マーレまでの距離は、直線で320km、ドーニーがリーフをかわしながら進むとすると400km走る計算になる。8ノット(時速15km)で走ったとして約27時間、3日間で割ると1日9時間走り3時間GTフィッシングをする計算になる。が、我々はGTFを目的にモルジブに来ているのだから、1日わずか3時間は辛い。

 

写真右:港くんの釣ったGOODサイズGT

 

明けの明星とコーヒー

朝5時、まだ外は暗い。月の光が青ざめて闇夜を照らしているのだけど、朝の感じは水面の小魚をざわつかせている。ぼくは、アップデッキに出て赤道とは思えない“ヒンヤリした静けさ”を感じていた。30分後、東の空はゆっくりと紫色に変わり出すと、空よりも先に海が明るさを呼び戻した。天には明けの明星が薄紅の絹を引いたような水平線の上に、アンバランスな強い輝きを放っている。

5時40分、東君がコーヒーを持って現れる頃には、明星の輝きも空の一部になると海鳥たちの鳴き声が静けさを更に消し去った。

「今日の天気はどうですかね?」

「今日もまあまあの天気みたいだよ。」

「そろそろ出発してハァーアリフアトールの西外れまで行ってしまいます。到着が8時ごろで、そこからフィッシング開始ということで良いでしょう。昼食はランチボックスで、夕方6時ごろにマザーボートに戻る予定です。」と、一通りの説明をし終わると東君は操舵室の方に消えた。

7時ピッタリに朝食が始まる。トーストにコーヒー、スクランブルエッグに簡単なサラダとフルーツが付く。

若いボーイが紺野君の持っていたロングペンを興味深げに見ている。

ぼくは手にとって渡すと目を輝かせてニコリと笑った。

母船“飛魚号”は全長20m以上の一見、帆船である。船室は7室、それぞれにツインベッドとシャワートイレが付いている。空調は無いのだけれど、海風が上手く部屋に入るような工夫がされていて居心地は随分良い。シャワーは多分、海水から淡水を作るプラントを積んでいるのであろう。満足のいく水量が常に出る。食事はカレー味が主体でインド風中華風だったりするが、訳のわからない物はほとんど出てこない。

つまり、“まあまあイケル”のである。だから、1日は朝から晩までGTFを楽しんで移動し7時ごろビールを1杯ひっかけてから夕食をとる。その後、小魚をルアーでいじめてから、イングリッシュミルクティーをたっぷり飲むと眠くなる。そして、また次の朝が来るといった具合だ。

今回もFISHERMANオーナークラブのメンバーを誘ってのことであるから100%男の世界である。

FISHERMANオーナークラブは100名を少し超える会員を抱えるが女性は1人としていない。

「硬派なんですかね。」と、中部支部長の大嶋君が冷かすけど、ぼくはこの方が居心地は良い。クラブ会員は、ダンディー系、マッチョ系、トラッデショナル系となかなか2枚目3枚目も多いと自負しているので、クラブに女性が入会しないのは“不思議”と言われても仕方が無い。

「会長は意外と純情だから・・!」と、30歳になったばかりの大嶋君に言われてしまえば返す言葉が無いのである。

 

写真左:武居君の釣ったGT    写真右:小林くんの釣ったGOODサイズGT   GIANT82T

  

ヒマラヤおろしとフィッシングハイ

さて、釣である。前夜、停泊したハァーアリフアトールのノルヒバラン島を予定通りに出発し、午前8時に同じアトールの西側カナマナ島の水道に入った。そこでまた、フィッシング船“ビスタONE”に飛び乗って外リーフへ、そのまましばらく南下しながらポイントを探すと大波がリーフに打ち寄せている。

「サーフィン出来ますよね!」武居君が指差す。

インド洋のウネリは季節風によって作られる。つまり、グローバルな言い方をすれば“ヒマラヤおろし”が大波を作り、風はインド洋上で出来る高気圧に阻まれるのだけど、大波だけが打ち寄せて来る事になる。キャプテンにベイトフィッシュを見つけてくれるように頼むと、目の良いスタッフが船首に立った。波に体を合わせて揺れをかわしている。ぼくもつられて、隣に立って前方を見た。後部のエンジン音や人の声は消えて、風の音が“ヒュルヒュルー”と、頭に飛び込んできた。300mぐらい先の小さなベイトの、ザワつきを見逃さないくらい、このクルーは目が良い。

「スゴイ目をしているね!」と、日本語で話し掛けてみると言葉が通じたのか

「・・・・・・。」無言で白い歯がこぼれた。このクルーがベイトボールを的確に探しだすと次々に20kgオーバーが釣出し、ヒートアップして行く。

フィッシングハイとは、こんなことを言うわけで何匹釣っても疲れないのである。キャスト、ヒット、キャスト、ヒット・・・・スゴイことになってきた。

「昔のモルジブらしい所だね。」とぼく

「えっ?これがモルジブじゃないですか!」と、初めてモルジブに来た港君が戸惑う。

武居、紺野、港、小林、そしてぼくは順番と言おうか、ランダムと言おうかGTを次々にヒットさせてランディングした。2時を少し回った所でフィッシングストップとなった。ここから4時間かけて飛魚号の待つシャビアニリーフのマロシュ島に向かったのである。

 

ビスタONEのクルーとベイトフィッシュを探す。

 

  

写真右:小林くんとダブルヒットした。

  

続GT60連発

今回、初めの計画では水上飛行機で一気に北端まで行き、ゆっくりと南下すると言うことだったが、長さ規制と重量規制のために首都マーレからそのまま北上した。本当に長い距離を走りに走ってGTフィッシングは半分ぐらいしか無かったのだけど“居るところには居る”ということを痛切に感じた。

 

写真左:武居くんの釣ったGOODサイズGT 写真右:GTゲームの基本 クレージースイマー100にきたGOODサイズのGT 

 

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