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サムネイル27回

モルジブ ドゥールー環礁釣り紀

 

 

バー環礁のエイダフシ島リゾートから、更に南に3時間程下ったところに、ドゥールー環礁がある。

直径20kmのまるいドーナッツ状の環礁には、北側に鎖状につながった3つの島がある。

そこはこの国、モルジブの流刑の島であるらしいことはモルジブのガイドブックに載っていた。

2艇のボートは、まず東のはずれにあるフラドゥ島に近づき、ぐるりと左右に別れて、キャスティングを開始した。僕たちの乗ったボートは、西に島々づたいに移動しだしたわけである。 

一投目から、魚の反応は凄かった。

盛り上がった水柱の中に、遠投したルアーを一呑みにしたどでかいハタが勢い良く、浅い根にもぐるのが、見えた。

必死にラインを巻いてみたが、間に合うはずが無い。

がっちりと根がかりしたみたいで、止まりきれないボートに合わせて、ラインはズルズルと出ていった。

こうなると、びくともしないので、ボートを近寄れるだけ、近寄らせてスプールを押さえて、ラインを切った。次々にバラフエダイやGTがヒットし続けている。派手に魚は、追いかけてきては、何のためらいもなくヒットを繰り返す。

 

 

 

北西の季節風は、ルアーの飛距離を更に伸ばした。

海流は沸き立ち、沈み、リーフエッジの地形に合わせるように緩み、盛り上がるのであるがエッジから数mも離れると、もうそこは、50〜60mはあろう濃青色に変わっている。

昼食は、ホテルが用意してくれた野菜中心のもので食べやすい。

さすがにビールは無いものの、ミネラル水からジュース、お茶まで、大きなバスケットにふんだんに用意されていた。色々な香辛料や、ビネガー、皿やナイフ、フォークまですっきりとした、使いやすいが品の良いものがそろえられていて、ホテルのマネージャーのセンスと、この旅を企画してくれたジェイツアーズの酒本さんの心くばりがうかがえた。

3時ごろになると、かすかに太陽が西にかたむいたせいか、海が逆光に光りだしている。

何匹釣り上げたか、よく覚えていないくらい釣ったあとに、運良く船首に立つことができた。光に吸い込まれるように、斜め前方にとびだしていったルアーは、かなりの飛距離が出たらしく、なかなか着水しようとしない。

僕はあえてベールを手でかえしてルアーの飛びを制限し、更に巻きはじめると、BIGPEN特有の大きな水しぶきを、光の中にとらえることができた。

そいつは、横からひったくるような恰好で、襲いかかったが、強いドラッグテンションのためか、バシバシと海面で暴れ狂った後に、リーフエッジに突進するように、ラインを引きずり出し始めた。少しラインを送りだしてから、更にドラッグを閉めて止める。フットポンピングでグイグイと寄せて、勝負はついた。

酒本さんが、ハンドランディングをしてくれたので、写真をパチリ。 

 

 

一方、つり吉の小林さんの乗ったボートは、その頃、大きな潮目にあたって、キャスティングどころではないことが、無線で入ってきた。

ガイドのランジッドさんが、その潮目にとんでもない大物がいるという。一投なげて、10回飛び上がるような波の中で、小林さんがグッドサイズを一匹ランディングできたらしい。

GTフィッシングは、PEラインの出現によって、どんどんと変貌を遂げているボートで追いかける釣りから、アングラー自身が魚を引き寄せる釣りに至って、体・技術道具を三位一体に考え、自分に合ったポジションからロッドグリップの長さや形状、ラインシステムやキャスティングフォーム等を真剣に考えはじめたのである。

また、新しいルアーの出現は、ビッグサイズのGTを海の底から引きづり出すことに成功した。

ロッドは、それに合わせてバランスが良く、軽く、キャスティングや、リフティング性能に優れた高弾性で折れにくいものが、天龍のような優れたブランクメーカーの協力によって開発された。

更に、文中登場する酒本さんのようにシングルフックを一本付けて、フックサイズからバーブレスポイントの研ぎ方等を長年研究しているアングラーもいる。

当然この方法は海の中で素早くGTをリリースできるし、テイルバイハンドのランディング時においても、フックを魚体から外しやすく、写真を撮ってすぐにリリースできる長所がある。

この方法はすべて、リリースした後のGTの生存率を、当然上げることにつながるし、ポイントの荒廃を回避することにもつながることを考え合わせると、今後の我々に残された、一つの課題であろう。

 

夕方近く、環礁のはずれで会った2艇は、3時間かけて、またリゾートに引き返すわけである。

ドーニーの船首に同行の館崎さん、荒谷さんと四方山話をしながら、ゴロリと横になって、天空を見ていると、青から薄紫に色を変え、夕陽のまばゆい橙色は、海を黄金色に染めて、更に天空にはねかえり、吸い込まれていく太陽が沈む一瞬、暗闇が襲いかかってきたが、眩い星々が、ところせましと光りだすと、新月だというのに、手のひらが見えたりする。太陽の若い光と違って、何十万光年の時を経て、届く星の光は、これといって何の特徴もないのだけれど、この光が出来たころは、もしかして人類の祖先は、まだアフリカの森の中で、木の実を食べて暮らしていたのではと思うと、ちょっと不思議な気持ちになったりもした。          

 

 

活躍したタックル

ロッド: BIG GAME86   GIANT86

ルアー: BIG PEN   CRAZY SWIMMER

リール: PENN9500SS

     ダイワEX5000i  VANSTAAR VS300

ライン: よつあみ インナーダイニーマ6号

       GTキャスティング PE6号、8号

     バリバス10×10 6号

旅行の問い合わせ ジェイ・ツアーズ 酒本 03−3791−8801