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サムネイル28回

モルジブ ホースバーグ環礁

 

 

 

バー環礁のソネバフシ島リゾートから、さらに南に3時間ほど下った所にホースバーグ環礁がある。直径20kmの丸いドーナツ状の環礁には、北側に鎖状につながった3つの島がある。そこは、この国モルジブの流刑の島であるらしいことが、モルジブのガイドブックに載っていた。2艇のボートは、まず東の外れにあるフラドゥ島に近づき、ぐるりと左右にわかれてキャスティングを開始した。

ぼくたちの乗ったボートは、西に島々伝いに移動しだしたわけである。

1投目から魚の反応は凄かった。盛り上がった水柱の中に、遠投したルアーを一呑みにした、どでかいハタが勢い良く浅い根に潜るのが見えた。必死にラインを巻いてみたが間に合うはずがない。がっちりと根がかりしたみたいで、止まり切れないボートに合わせて、ラインはズルズルと出て行った。こうなるとびくともしないので、ボートを近寄れるだけ近寄らせて、スプールを押さえて、やむを得ずラインを切った。

次々にバラフエダイやGTがヒットし続けている。魚は派手に追いかけて来ては、何のためらいも無くヒットを繰り返す。

北西の季節風は、ルアーの飛距離をさらに伸ばした。海流はさらに沸き立ち、沈み、リーフエッジの地形に合わせるように緩み、盛り上がるのであるが、エッジから数mはなれると、もうそこは50〜60mはあろう濃青色に変わっている。

 

 

昼食は、ホテルが用意してくれた野菜中心のもので、食べやすい。さすがにビールはないものの、ミネラル水からジュース、お茶まで、大きなバスケットにふんだんに用意されていた。

色々な香辛料やビネガー、皿やナイフ、フォークまですっきりとして使いやすいが、品の良いものが揃えられていて、ホテルのマネージャーのセンスと、この旅を企画してくれたジェイツアーズの酒本さんの心配りがうかがえた。

3時ごろになると、かすかに太陽が西に傾いたせいか、海が逆光に光りだしている。何尾釣り上げたか、よく覚えていないくらい釣った後に、運良く船首に立つことが出来た。光に吸い込まれるように、斜め前方に飛び出していったルアーは、かなりの飛距離が出たらしく、なかなか着水しようとしない。

ぼくは、あえてベールを手で返して、ルアーの飛びを制限し、さらに巻き始めると、BIGPEN特有の大きな水飛沫を、光の中に捉えることが出来た。

そいつは、横からひったくるような恰好で襲い掛かったが、強いドラッグテンションのためか、バシバシを海面で暴れ狂った後に、リーフエッジに突進するようにラインを引きずりだし始めた。少しラインを送り出してから、さらにドラッグを閉めて止める。フットポンピングでグイグイと寄せて、勝負はついた。

酒本さんがハンドランディングをしてくれたので、写真をパチリ。

一方、つり吉の小林さんの乗ったボートは、その頃大きな潮目に当たっていて、キャスティングどころではないことが無線で入ってきた。ガイドのランジットさんが、その潮目にとんでもない大物がいるという。

1投して、10回飛び上がるような波の中で、小林さんがグッドサイズを1尾ランディングできたらしい。

 

 

 

GTフィッシングは、PEラインの出現によって、どんどん変貌を遂げている。ボートで追いかける釣りから、アングラー自身が魚を引き寄せる釣りに至って、体・技術・道具を三位一体に考え、自分にあったポジションからロッドグリップの長さや形状、ラインシステムやキャスティングフォーム等を真剣に考え始めたのである。また、新しいルアーの出現は、ビッグサイズのGTを海の底から引きずり出すことに成功した。ロッドもそれに合わせてバランスが良く、軽く、キャスティングやリフティング性能に優れた高弾性で折れにくいものが、天龍のような優れたブランクメーカーの協力によって開発された。

さらに、文中登場する酒本さんのように、シングルフックを1本つけて、フックサイズからバーブレスポイントの研ぎ方等を長年研究しているアングラーもいる。当然この方法は、海の中で素早くGTをリリース出来るし、テイルバイハンドのランディング時においても、フックを魚体から外しやすく、写真を撮ってすぐにリリースできる長所がある。

この方法は、全てリリースした後のGTの生存率を、当然上げることにつながるし、ポイントの荒廃を回避することにもつながることを考え合わせると、今後の我々に残された一つの課題であろう。

 

 

 

夕方近く、環礁の外れで会った2艇は、3時間かけて、またリゾートに引返すわけである。

ドーニーの船首に同行の館崎さん、荒谷さんと四方山話をしながら、ゴロリと横になって、天空を見ていると、青から薄紫に色を変え、夕陽のまばゆい橙色は、海を黄金色に染めて、さらに天空にはね返り、吸い込まれていく太陽が沈む一瞬、暗闇が襲い掛かってきたが、眩い星々が所狭しと光出すと、新月だというのに、手の平が見えたりする。

太陽の若い光と違って、何十万光年の時を経て届く星の光は、これといって何の特徴もないのだけれど、この光が出来た頃はもしかして人類の祖先は、まだアフリカの森の中で、木の実を食べて暮らしていたのではと思うと、ちょっと不思議な気持ちになったりもした。

 

活躍したタックル

ロッド  BIG GAME86  GIANT86

ルアー  BIGPEN クレイジースイマー等

リール  PENN9500SS ダイワEX5000i VANSTAAR VS300

ライン  よつあみ インナーダイニーマ6号 GTキャスティング PE6号と8号  

バリバス10x10 6号

旅行問い合わせ ジェイ・ツアーズ 酒本03-3791-8801