69回
バリ島周辺の島々A
悪魔島の巨大魚 後編
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ヌサペニダへ その間、ボートの中はというと、前夜の疲れで、東君も小向さんも寝入っている。僕はフロントデッキで、前方に近づいてくる島をボーッと見ているわけで、頭の中で決して考えごとをしているのではない。暑いということはそれだけで、元々北の人間である僕から思考能力を奪ってしまうらしい。 |
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インド洋のキハダ現わる 僕はタックルボックスからビッグペン110という、元々マグロ系のために設計したスローリトリーブ用の特大ペンシルを出した。 さらに、シェークしてから一度、ルアーをピックアップして、再びキャスト。今度は不規則にショートジャークするけれど、動きはデッドスローである。また影がスーッとルアーに近づいてきた。かなり大きい。30〜40s以上はあるに違いない。僕は狙いすましているけれど、少しドキドキと自分の心臓が動くのを感じながら、目のそばにロッドを近づけて、ルアーと一直線にする。 |
潮のムシ 風が動かないとムシも動かない。鳥が風にのってやって来て、風に乗って去っていく。 シビ(マグロ)もカジキも同じ、ガーラだってカツオだってサワラだってみんな潮の中で生きている。だから良い海人は潮と風が見える。潮と風が見えさえすれば、魚の動きもわかるわけさァ……」 |
悪魔島の巨大イソマグロ 巨大なイソマグロである。スプールを下から押さえている手が、グローブをはめていても火傷をしそうになった。が、ジグが口から外れてしまった。 同時にヒットした大嶋君の方はまあまあのイソマグロを釣り上げた。 さらに押さえ込んで、またアワセをすると、大魚は例のターボスピードで走りはじめた。僕はグローブをしている手をバケツに突っ込んで、ビショビショにして、スプールを押さえる。それでもジワッと熱を帯びてきたので、バケツの海水で再び冷やして、押さえ込む。 |
逃げた魚は大きい 100sオーバーのイソマグロは、ここに絶対にいると確信した。自分が見つけたポイントは自分で山たてをして覚えている。忘れないうちに来よう。 |
活躍したタックル ロッド: YELLOW TAIL BG 70、MONSTER CC 6.1 ルアー: BIG PEN 110、LONG JIG220〜320 リール: ステラ16000H ライン: モーリス10×10・5号 旅の問い合わせ: ワンダーブルー(担当:東) 03-5791-5686 |