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サムネイル105回

ダーウィン釣行記炸裂するサラトガ!

 

釣りとステーキ

ティウィ島で午後2時までバラゲームを楽しんでから、午後4時にセスナに乗り込むと30分であっさりとダーウィンに着いた。

タクシーでホテルに入ってから、直ぐにバッファローの紹介したガイド、ディノとコンタクトを取った。

「朝の5時なんて随分早いね。」

「出発は、早いほうが良いってディノが言うんで・・」と、永原君が言う。

その日は、4人でダーウィンの町に出たが、ステーキ屋を見つけると、ビールで乾杯して600gぐらいあるテンダーロインを食べて、ホテルに帰り、あっさりと寝てしまった。

釣りで来ている男のグループなど、そんなものである。

“釣り、釣り、釣り!”と頭の中は一杯になる。そして、釣りで満足すると、やっぱり食べ物ということになり「ステーキにしようか!シーフードにしようか!」と、あれこれと考えるのだけど大体は無難なステーキとなる。

自然保護のために桟橋などは全く無い。あるのはボートがやっと1台下ろせるほどのスロープのみ

 

オーストラリアンとフェラーリ

翌朝5時にロビーに出ると、既に外にはバスボート風のアルミボートがランクルに牽引されているのが見えた。

「あれですかね?」と、エガワ君。

「多分・・なんか小さいけれど川の中だからOKでしょう。」と、エガワ君が念をおした。

我々は用事のある永原君を残してディノの車に乗った。

「ディノはイタリア人なの?」と、ぼくが聞くと

「ノー、ノー!オーストラリアン!」と答えた。

オージーは、もうアイルランド系だろうがイタリア系だろうが、アジア系だろうがみんなオーストラリアンということで一致しているのだなと感じた。

かつて「世界は一つ、人類皆、兄弟」などというキャッチフレーズが流行ったことがあるけれども、ここ10年はグローバル化どころか、ナショナリズム(民族主義)が流行している。流行などと“はやり”と言うと各方面からお叱りを受けるけど大体、民族なるものの物理的定義はない。

つまり、ファジーな世界で観念的な言葉ではないかとぼくは思っている。“民族の誇り”を持つことは素晴らしいことなのだけれど“民族のエゴ”を持ってしまうと、やれ隣の民族はダメだとか、白い方か良いとか、黄色の方はどうのこうのということになってしまう。それに、本来人間を幸福にするためにある宗教や思想が絡むと“対立の無限の連鎖”が起きる。

日本はかつて、この民族主義で明治維新から昭和にかけて大成功した世界で唯一の国なのだけれど、“民族”という言葉を明治時代に発明してしまった国でもある。話はさらに逸れる。

Dino“ディノ”の名前にピンときた人はかなりの車好きである。イタリアのスポーツカー「フェラーリ」を創設したエンテオフェラーリの息子アルフレディノフェラーリ、愛称「ディノ」はクルマへの才能を惜しまれながら若干24歳の若さで白血病のために他界する。深く息子を愛していたエンテオは、開発中の小型スポーツカーにフェラーリのマーク“跳ね馬”ではなく“Dino”の文字を刻み、1968年に衝撃のデビューを飾る。Dino204GT・246GTは、40年近く経った現代も、多くの車好きを虜にしている。もっとも、ぼくはフェラーリというよりポルシェ党なのだが、30年くらい前にイギリスのロンドンからグラスゴーに行くモーターウェイで、黄色(イタリアンレッドでないところが憎い。)のディノにぶっち抜かれたことを思い出した。(ちなみに、ぼくはポルシェ356Cでした。)

 

写真左:昼休みに木陰で一服 

湿地帯のサラトガ

1時間ほど走ると車はダートに入っていた。見渡す限りの湿原が広がっている。太陽はそろそろ地平線から顔を出そうとしているけれど、まだ空の半分は星が光っている。

「あと10分で着きます。」と、ディノ。

ぐっすり眠っていたエガワ君が大きなアクビをした。

川のスロープには既に何艇かのボートが浮かんでいる。ディノは手際よくボートを降ろすと、自分のポイントに走り出した。太陽はようやく水平線から顔を出して、湿原は強い射光で目覚めようとしている。

5分ぐらい走ったところでボートはスピードを落とした。ディノが枯れ葦のポイントを指さしている。ぼくは、あんまり葦の中に入れるのを避けて、半分ぐらいの所に“アヒル君”を落とした。枯れ葦の幹にルアーを絡ませて“グイグイ”と揺すり、それから小さくポッピングさせる。少し向こうの葦が揺れた。もう一度小さくポッピング・・・。途端に、垂直にバイトするように魚が飛び出した。あいにく逆光で、キラキラと光る水しぶきだけが見えた。“バシャン、ドカン!”と、まあなんとも派手に騒いでから魚はフックを外して逃げてしまった。

「何今の??!!」

「何でしょうね・・?!今までに見たことのないバイトですよ・・!」

「垂直と言おうか、体のバネで飛び出したと言おうか・・。もしかして、サラトガですかね?」と、エガワ君が言う。

 

ダーウィン近郊の大湿地帯、そして筆者がファイト中

 

ぼくは、もう一度近くにルアーを投げる。同じように誘いをかけると、また“バシャン、ドカン!”

今度はしっかりフッキングしてみたが、魚はグイグイと葦の根の方へ逃げ込む。

ぼくはお構いなしに、そのまま巻いた。魚は枯れ葦と水草の中で団子のようになって近くに寄って来たけれど、ボートの近くでもう一度軽く暴れて魚体を見せた。網ですくわれて御用となった。

「サラトガですよ!ノーザンバラマンディで日本の熱帯魚屋さんで売ってますけどね、アジアアロアナに近いですよ!このゴールデンの色にオレンジの点・・・!何とも言えないですよね・・!」と、熱帯魚好きのエガワ君がやたらに感激している。

「でね、アロアナをぼくは買っていたことがあって、サラトガも同じだと思うんですけど、昆虫やクモを食べる時、体を“くの字”にしてからジャンプする。だから水面から30~40cmの所にいるクモを狙って食べちゃうんです・・。」と、続けた。

朝一で釣れたサラトガ

 

ワニ注意の看板!!

アヒル君の色

ぼくは、アヒル君を使っていたのだけれど、差し詰め、サラトガは水に落ちた昆虫だと思っているに違いないと思った。次々とサラトガが釣れだしたけれど、

どう言う分けか、ぼくも使っていた白色のアヒル君にしか反応しない。エガワくんの黒色は不発なのである。変えたくても、既に2個になってしまったヒットルアーは白と黒なのである。

「腕の差ですかね・・?」と謙虚なエガワくん。

「違うね。色の差だね・・交換しようか?」ということになり、ぼくは黒のアヒル君を付けた。

と、直後70cmのバラムンディーがエガワくんにヒット!ジャンプを繰り返したあげく、ディノのネットに治まった。

「やっぱり白色はちがいますね!」と、さっきまでの落胆は、嘘のように消し飛んでいる。“釣り人は釣れると喜び、釣れないと落胆する。”のである。

「サラトガだ!抜いてしまいます。」

「すごいね。ぼくも釣りたい・・・。」

人が釣るのを見ると「自分も・・・・。」これも釣り人でなのである。

その後、エガワくんの入喰いは続いたが、太陽が少し高くなると朝の喰いがピタリと止まった。

「ディノが朝早く出る理由がわかりましたね!」

「やっぱり夜明けが一番ですよ。」と、ディノは笑った。

朝はまるで弱いぼくは、困ったけれど“ダーウィンに釣に来た時は早起きしよう・・・!”とひそかにぼくは思った。

写真右:エガワくんが白いアヒル君に変えた時に来た70cm級のバラマンディー。 ロッド:ナロークイッカーR evolution

 

ガイドのディノとエガワくん

 

活躍したタックル

ロッド・・ナロークイッカーRエボ オーシャンRエボ

ルアー・・FISHERMAN アヒル君

ライン・・MAXパワー3

ショックリーダー・・スーパーステルス50lb

 

 

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