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サムネイル60回

ガーファル環礁釣紀

北マーレから、ガーファルにかけて

 

古い小さな大都市

モルジブの首都マーレのある環礁が、北マーレ・アトールである。この国の観光開発が始まったのは、1965年、完全に独立国となって間もなくのことであった。

70年代に入ると、その頃から注目を浴びていたタヒチを中心とする南太平洋の島々よりも、ヨーロッパに近いということもあって、首都マーレを中心に近くの小島に次々とリゾートが造られた。

マーレ市は古くからアラビアスタイルの白塗りの漆喰壁で建てられた建築物が長さ2.5km、幅1kmの小島にひしめくように造られ、海上交通の要として小さな大都市は発展した。

 

写真右:もちろん、根魚も豊富だ。

 

ヤシの木陰に青い海

空港から大型のクルーザーで1時間走ると、北マーレアトールの西側の中央に位置する、タージコーラル・リーフリゾートに着いた。多分、水上飛行機やヘリコプターを使えば10分足らずの距離にあるのだろうけど、色々のスタイルの古いリゾートやモルジブの名前の由来となっている、花輪状の小環礁を見ながらやって来るのもなかなかである。

リゾートのコテージは、ひっそりとしたヤシの林の中にある。ぼくが泊まる部屋に入ると、美しい花々でWELCOMEとベッドの上に書いてあった。多分、この模様を描くのには34時間かかるだろうと思われるほど、凝った花の置き方で、何とも嬉しいやら、もったいないやら、場違いな思いに駆られたけれども、ハネムーンやフルムーンで来ていれば、単純に感動したであろう。

しかし、1人で泊まるぼくとしては、やはり眠気の方を優先してしまい、写真すら撮らずに、この花々に囲まれて一夜を過すことになった。

タージリゾートは、水上コテージが全室の半分以上を占めている。広い室内、バルコニー、アウトサイドのシャワー、何と言っても部屋と砂浜の間にあるハンモックがぼくのお気に入りであった。ジャグジーでリラックスした後、ハンモックで一眠りすると、釣りなんか忘れてどこかの美人と来ているようなおじさん的な錯覚に陥ってしまい、若者にお叱りを受けそうである。

S-POP、クレイジースイマー、など色々なルアーを使ってGTフィッシングを楽しむ。

 

ガーファルへ、ドロップオフのショートパンプ

次の日、キャプテンと相談してあった、ガーファル・ファルーに3時間かけて行くことになった。

朝、出航して、途中、無風の海に幾つかのベイトフィッシュが浮いていたけれど無視して、とにかく足の遅いドーニーを走らせて、8時半頃にガーファルの南のボトムに着いた。

そこから、西側に流しながらポッパーを投げ始める。この環礁は北マーレアトールの北端から5マイル沖にあり、東西に15km、南北に10km、難破船の多い北側を除けば、内海に一切入れない楕円のロングリーフからなっている。

鋭いドロップオフと西から東にかなり速く流れる潮流とで、延々と好ポイントが続く。

ロングリーフの場合、スリットの入ったシャローには、あまり大物はいないとぼくは考えている。潮の流れが殆ど無いからで、オフショアサイドの深みにルアーを投げて、速度の遅いショートパンプで攻めると、良い結果が出ることもある。また、ここのようにスリットも無く、直接ドロップオフになっていて、波の無い所では、ドロップオフのエッジ近くで、なるべく襲いデッドスロー、ショートパンプがかなり強力である。

その他、ロングペン110でPEラインを緩めながら、あまり巻かないで鋭くシャクリを繰り返し、ルアーを左右に倒れるような動きでドッグウォークさせるのも良い。

また、S-POPを遠投して、バットエンドをゆっくり上にしゃくる方法でも、海から飛び出す心配がないように設計されている深みの真上で、ゆっくりとパンピングを繰り返すなど、色々な方法でアプローチすることが出来る。

ただし、ヒットしてからこのようなリーフの場合は、リーフの棚の上が浅そうに見えても意外と深いので、リーフ内に逃げ込まれると、アザミ珊瑚など岩のような石のサンゴに回られて苦戦してしまう。だから、ヒットして浅い方に逃げた時は、思い切って止めに入る。

やり方は、ロッドをあまりあおらず45度くらいにして、手の平でスプールを下から押さえる。ロッドベントを見ながら、緩めたりきつくしたりしながら、一度止まったら動き出さないように押さえ込む。

つまり、ライン50lbであれば、ハンドで瞬間的に20kgのドラッグテンションをかけてもラインは切れない。初めに合わせたドラッグにこだわり過ぎると、魚を止めきれないことになる。

この方法はGTのみならず、ジグで大物をかけた時、ぼくが使うやり方の一つである。

GTは、押さえ込まれれば、大体アングラーに対して左右に動き出す。GTが徐々にリーフの外側に向かい出したら刺激しないように、つまり余り巻き取らないように、アウトリーフに出してしまう。そこからボートの位置をもう一度修正して、深みに追い込んでリフティングすると良い。

とまあ、書けば簡単であるのだけれど、実際には中々そのようにいかないのが釣りであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

ボートサイドが高いので金属ではなくロープに替えた。

 

 

田辺さんとぼくとジャグジー

棚美さんがグッドサイズをかけて、良いタイミングでリフティングしている。前回のファーフアトールから1週間ほど、共に釣りをしたけれど、やはり凄いバイタリティと学習能力で鈴気流GTフィッシングをマスターしてしまった。キャスティング、ファイト、それにGTをかける執念は、やはり並みのアングラーではないと感服したぐらいである。

ぼくと2人で並んでGTを狙っていると、お互い、黙々とキャスティングを繰り返す。

田辺さんがヒットすると、すごく嬉しそうな顔を見せてくれる。ぼくも負けじとヒットさせて、思い切りリフティングをすると、田辺さんはいつも横に来て、あれこれと話をする。

釣り自体が楽しくて仕方がない人なのだなと思った。

御午前中3時間ぐらい、ガーファル・ファルーでGTを全員で50尾〜60尾釣ったので、昼食を食べながら、北マーレの北端に帰ってきた。チャンネルを丹念に狙いながら、南に下ると、途中にインサイドのエッジで平山欣一さんが大きいのをかけたのでクルーも一緒に写真を一枚。

夕方、リゾートの近くにベイトの群れがそこら中に見える。明るいモルジブの夕日が水平線の近くに降りた時、ぼく達はホテルに帰った。田辺さんとジャグジーに入って、四方山話をしていると、ドイツ人のオヤジがやって来て、これまた釣りの話になる。GTだ、マグロだ、パイクだ、バスだイトウだと北から南の魚が飛び交って、まあ釣りに国境は無く、みんなの両手がどんどん広がって、笑いが止まらなくなった。

帰り際、平山さんにグッドサイズがヒット。スタッフ一同で。

 

首都に近いリゾートの再発見

古いリゾートが連なる首都に近い、北マーレアトールにこんなにGTがいることは、一つの再発見であった。だれも行かないリーフや遠いところばかりが良いとは限らない。

特に北マーレのインリーフの沈み根には好ポイントが多い。小さなベイトフィッシュの群れを見逃さず、潮の流れやボートの位置を計算しながらGTの攻略法を自分なりに推理してポッパーを投げる。

むしろ、極端にGTがいすぎるポイントよりも、ぼくはこちらの方が面白いと思っている。

 

写真右:GTを釣り上げたらバケツでどんどん水をかけるようにする。

 

活躍したタックル

ロッド GT-GAME-T  GIANT86  BIG GAME86

ルアー S-POP100 / 110  LONG PEN 80 / 100 CRAZY SWIMMER105

ライン モーリス アヴァニ50lb 60lb

リール シマノ ステラ10000H

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